高浜町特産「うちうらレモン」のこれまでを取材しました!
みなさん、当社オリジナルブランド「GREEN BASE」はチェックしてくださっていますか?
「人にも環境にもやさしく」をコンセプトとした当社自慢のブランドで、地産地消にも取り組んでいます。
このGREEN BASEで展開しているハンドソープやフェイスウォッシュに欠かせないのが、「うちうらレモン」。
今回は、そのふるさと・高浜町に行ってまいりました。
「うちうらレモン」が育まれる経緯をインタビュー形式でお伝えいたします!
1. 「うちうらレモン」のはじまりは、役場からの「もったいない」
お話をうかがったのは
福井県高浜町 産業振興課
課長補佐 仲野様(右)
主事 奥本様(左)
――なぜレモンの栽培をはじめたのですか?
高浜町では、山中エリアの文化芸術の拠点として、五色山公園の周辺を開発していました。具体的には、美術館や宿泊施設、キャンプ場が備わっており、キャンプ場は今も県内外からお客様がいらっしゃいます。ただ、西側の山間の平地は活用しきれておらず、「もったいないな」と思っていました。
――ここでなにかできないかと考えた結果が、レモンだったのですね。
そうですね。近隣の住民のなかには、自家消費用にみかんや柿、レモンを育てていた家庭もあり、加工しやすく需要が高まっている国産レモンを生産できるのではないか。そんな考えがきっかけでした。
管理組合に依頼し、苗や電気柵を支援しながら、試しにレモンを作ってもらいました。
――「試しに」ということは、はじめは今ほどレモンを植えてはいなかったのでしょうか?
そうですね。実はレモン栽培のノウハウが県内には無く、手探りでのスタートでした。今の半分くらいの面積で、苗木100本くらいから始めました。
■提供したのはきっかけだけで、あとは周りが乗ってくれた
――どんどん広がっていますね。
そうですね。でも、町の総合計画で位置づけられるような本格プロジェクトというよりは、チャレンジ的な位置付けでのスタートでして。ほとんどは管理組合のほうで進めてくれています。
日本海側では珍しいこともあり、無農薬で育てているレモンは想定以上にニーズがあったようで、高浜町を飛び出てさまざまなところから問い合わせをいただいています。企業にも入ってもらって、より盛り上げていきたいですね。
――高浜中学校で授業のためにエル・ローズを招待してくださったと聞いています。学校教育でも、うちうらレモンを積極的に活用していく予定なのですか?
これに関しては、学校から、うちうらレモンを知りたいという問い合わせがあったためです。「地元高浜町には何がある?」と考えたときに、海水浴や水産業に並んで、うちうらレモンのことを思い浮かべてくれたみたいで。いろんなところで耳に入るみたいです。
――私たちのハンドソープなどもそうですが、他にもうちうらレモンを活用した製品は多いですもんね!
【高浜町のマーケットUMIKARAにて販売されている「高浜レモネードの素」】
私たち行政がやっているというよりは、周りが積極的に進めてくれたというのが正直な印象です。僕たち行政が言い出しっぺではあったけれど、地域の人のおかげで大きくなってくれたと思います。
やはり生産者さんが乗り気になってくれて、楽しそうに作ってくれているのが嬉しいです。雇用の場としても更なる発展を期待しています!
――引く手あまたのうちうらレモン、もっと広めていく予定なのでしょうか?
うちうらレモンを波及させていくかについては未定な部分も多いです。手入れする人の確保もそうですし、他の作物との相性も研究が進んでいないのが現状です。とはいえ、特産物振興のきっかけにしたい気持ちはありますね。
個人的には、五色山公園全体を、果樹を中心とした人の集まる空間にしていきたいです。
■新商品ボタニカルハンドバームを試していただきました
「もったいないから、まずは」というきっかけでスタートしたレモン農園。
「地域の方が進めてくれた」と仲野さんはおっしゃっていましたが、では、任された農家さんはどのようにこのレモン農園を育ててきたのでしょうか?
高浜町役場から車で30分、私たちは海に臨むうちうらレモン農園に向かいました。
2. 喜んで使ってもらえることが、いちばんの喜び
お話をうかがったのは:
広瀬山自然公園管理組合 組合長 内藤 様
――高浜町から声がかかってレモン栽培をはじめたとお聞きしましたが。
そうですね。7年前でしょうか。試験栽培という形で、苗を植え始めました。
もともとは大工ですが、当時からこのあたりを管理する組合員として働いていたので。
――7年前。それまでは全くの未経験ですか?
はい。レモン作りはこの畑が初めてなので、研究しながら進めています。剪定を失敗して実があまりならなかった年もありました笑
――それはショックですね……。今どのくらいのレモンが植えられているのですか?
併せて300本くらいでしょうか。徐々に増やしているので植えた時期は違いますが、どれも順調に育っています。
――これだけあるとお世話も大変ですね。
植樹や摘果、収穫のときは、大人数で一斉に行うので、子供たちも体験に来てくれて、ひとつのイベントになっています。あとは、週に1回くらい様子を見に来て、様子を見たり雑草を刈ったりしていますね。
――無農薬だから、雑草も凄そう……!
竹炭チップスが雑草にとっても良いみたいで、草むしりをしないとすごく伸びてしまいます笑。これも、高浜の人が作ってくれている竹炭で。
――地元の方々の集合知で作られているレモン畑なんですね!ところで、レモンといえば暖かい場所で作っているイメージが大きいのですが、高浜町では特に問題なく育つのですか?
たしかに、日本海側で大々的に育てているところは珍しいかもしれません。ただ、ここは北側に山がそびえているので、北風が吹いてこないのが特徴です。もしかしたら、冷たい北風が直撃しないのが、温暖な気候を好むレモンに合っているのかもしれません。
――なるほど、余っていた空間と、レモンにとっての最適な場所が一致していたのですね。
ただ、同じように育てていても木によって育ち方が違っていて、奥が深いです。
草刈りなど、しんどいことも多いですが、やはり実が育つのは喜びのひとつです。そして、みんなが喜んで使ってくれるというのが何よりも嬉しいですね。
――レモンはとても人気で、海岸沿いのマーケット・UMIKARAでもすぐに売り切れると聞いています。
国産レモン、特にマイヤーという品種を作っているところは珍しいみたいで、嶺北*の方や、県外の方からもお問合せをいただくことがあります。
*福井県北部。高浜町は嶺南(南部)に位置する。
――そのように、うちうらレモンが商品として広がりを見せているから、高浜中学校の子どもたちも知ってくれたのかもしれませんね。
役場の方の「もったいない」から、農家さんの手でレモンが育つ。
商品化されて、レモンが広がる。
それを見て育った子どもたちから、新しいアイデアが生まれる。
うちうらレモンの軌跡からは、そんなサステナビリティが感じられました。
この輪を支えていけるよう、これからも持続可能な商品をお届けしてまいります。